ニュース・トピックス

ニュース・トピックス

ニュース・トピックス 詳細

その他 2019.12.20

令和元年度 業務功労表彰審査委員会における選考について

審査結果

 A 調査・設計・監理部門
優秀賞

ア「特に優れているもの」
 (重文)高室家住宅主屋ほか7棟保存修理事業

奨励賞

ア「初めての工事主任として担当した業務が優れているもの」
 (小郡市指定有形文化財)旧松崎宿旅籠油屋復原設計業務

 B 報告書等作成部門
入賞

報告書作成、保存図作成の業務が共に優れているもの」
  (重文)真禅院本地堂保存修理工事報告書

講評

 A 調査・設計・監理部門

(重文) 高室家住宅主屋ほか7棟保存修理工事
 複数棟が接続する重文民家の保存修理を6カ年で効率よく円滑にまとめた事業運営が評価される。修理計画では、離れの出桁造りは後世の補強金物で支えられていたが、それを撤去し、見え隠れで補強架構を新設したり、構造補強において一律に考えるのではなく、公開活用と経費に配慮してメリハリを付けた補強方法などが評価される。
 報告書では、多数棟の根本修理ということで増ページとなりがちなところを、記載内容を減らさずページ数を圧縮する工夫と努力が見られる。例えば、実施仕様の項で表を多用して少ないページで多くの情報を処理し、技法調査においては各々の異なる技法を詳細にまとめ、それらをわかり易く示す工夫が見られた。図面は保存図を載せており、計画的な事業運営が窺われる。特に、工事実施仕様で各建物の高さに関する設定の項目が記述されている。主屋に接続する建物の年代が異なり、修理後に何を基準にするかを解体前に考えていることが解かり、多数棟修理への準備として今後に生きる記載と言える。

 

小郡市指定有形文化財 旧松崎宿旅籠油屋復原設計業務
 地方指定文化財として建築基準法が適用されるところを、適用除外の認定を受け、復原が実施されたところが評価される。適用除外にかかる内容が報告書に掲載されたことは、今後、地方文化財の保存修理を考えるうえで有益である。
 非駐在で、地元設計事務所の育成を兼ねた事業の位置づけであり、修理計画、工事監理の上で評価される。

 

B 報告書等作成部門

(重文) 真禅院本地堂保存修理工事
 報告書の各項目は、それぞれの内容が充実しており、バランスもよい。本文も明快に記述されており、挿図や写真を効果的に配置し、必要に応じてカラー図を用いて理解を促すための工夫をしている点が評価できる。一方、調査事項が3つの章に分散され、精力的に調べ、検討した全容が解りづらくなっている。また、保存図は担当主任が全て描きあげ、報告書の印刷に間に合わせた。図面の構成は詳細図が多く、全体的に縮尺が大きく紙面一杯を使い、細部まで良く描けている。

一覧へ戻る