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屋根葺替:明治40年(1907)、昭和33年(1958)
部分修理:江戸末期(1830〜1867)
昭和62年7月〜平成元年12月
〈解体修理〉
解体に伴う調査で、明らかとなった屋根を当初のこけら葺に、失われた風鐸・擬宝珠金物と正面両開桟唐戸を復旧整備した。基礎は柱礎石はそのままとし、コンクリート地業の上に縁葛石・雨落石の据直し、床下・縁下の土間叩き、亀腹の中塗仕上を行った。木部は、再用材の破損・腐朽の著しいものは補修し、取替材を補足して加工のうえ組立てた。塔の初重内部に四天柱がないため構造補強として、上部肘木の垂下防止として、二重柱盤上にH形鋼を掛け渡し、二重台輪より吊り上げた。その他各重の軒の垂下防止として、柱に帯鋼を止めて、丸桁と緊結した土居桁を鉄筋(ターンバックル付)にて各面吊り上げ補強した。屋根はこけら葺とし、軒付を一重に積んだ。欠失した各重の風鐸と初重高欄擬宝珠は新規作製して取付けた。また、建具欠失箇所は新調し、他は補修した。塗装は、各重の丹土塗は現状のままとし、新補材は古色塗のうえ色付けを行い、来迎柱廻りは木地呂塗とした。
三間三重塔婆、こけら葺
(財)文化財建造物保存技術協会編
『重要文化財本山寺三重塔保存修理工事報告書』
重要文化財本山寺三重塔修理委員会、H2.3